データで見る洗濯
なぜ日本の洗濯は少ない洗剤でよく落ちる?軟水という強み
「日本では少ない洗剤でも汚れがよく落ちる」と聞いたことはありませんか。その背景には、日本の「水」の特徴があります。データをもとに、軟水と洗濯の関係を見ていきましょう。
結論:日本の水道水は世界でも有数の軟水です。東京大学の全国調査(2021年・665地点)では、全国平均の硬度は48.9mg/Lでした。首都・東京の水道水も平均約60mg/Lの軟水とされます(東京都水道局)。硬度の低い軟水は洗剤の働きを妨げにくく、少ない洗剤でも汚れが落ちやすいのが特徴です。これが、日本の洗濯が水に恵まれている理由のひとつです。
1. 軟水と硬水のちがい
水の「硬度」は、水に含まれるカルシウムやマグネシウムの量で決まります。これらが少ない水を「軟水」、多い水を「硬水」と呼びます。世界保健機関(WHO)の分類では、硬度の低い水が軟水にあたります。硬水は洗剤の成分と反応して洗浄力を弱めることがあり、洗濯においては軟水のほうが有利とされています。
2. 日本は軟水、欧州は硬水
日本の水道水は、世界でも有数の軟水です。東京大学の全国調査(2021年・665地点)では、全国平均の硬度は48.9mg/Lで、WHOの分類で軟水にあたります。2024年の調査(1,564地点)でも50.5mg/L前後でした。一方、フランスやドイツなど欧州の水は硬度180mg/L前後の硬水が多く、日本とは大きく異なります。
身近な例として、首都・東京の水道水も軟水です。東京都水道局によると、東京の水道水の硬度は平均約60mg/L(2022年度の実測で19.6〜89.7mg/L)。同局は「硬度が高いほど石けんの泡立ちは悪くなる」とも説明しており、硬度は洗濯にも関わる指標であることがわかります。全国平均(東京大学・48.9mg/L)と東京(約60mg/L)という別々の機関の調査がいずれも軟水の範囲を示しており、日本の水が洗濯に向いている様子が、角度を変えても確かめられます。
3. 軟水が洗濯に向く理由
軟水はカルシウム・マグネシウムが少ないため、洗剤の界面活性剤が本来の働きをしやすく、少ない洗剤でも汚れが落ちやすいとされています。硬水の地域では洗剤を多めに使ったり、専用の洗剤を使ったりする工夫が必要になることがあります。日本で「少ない洗剤でもよく落ちる」と感じられるのは、水そのものが洗濯に向いているからだといえます。ただし、軟水であっても汚れの量や種類に応じた洗剤は必要で、洗剤なしで落ちるわけではありません。
水温も洗濯の仕上がりに関わります。査読研究では、洗濯の水温が高いほどダニのアレル物質(Der f1)の残存が減り、60℃ではダニも全数死滅したと報告されています(水温とすすぎ回数が鍵)。軟水という恵まれた水に、温水での洗濯やコインランドリーの高温乾燥を組み合わせると、大物洗いの満足度はさらに高まります。
4. コインランドリーでの活かし方
軟水という恵まれた水に、コインランドリーの大型機と高温乾燥が加わると、家庭ではむずかしい大物の丸洗いも快適になります。布団や毛布をしっかり洗い、高温で一気に乾かす——日本の水の強みを、大物洗いでも活かせます。
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よくある質問
日本の水道水は軟水ですか?
はい。東京大学の全国調査(2021年・665地点)では全国平均の硬度は48.9mg/Lで、WHOの分類で軟水にあたります。東京都の水道水も平均約60mg/Lの軟水とされます(東京都水道局)。
軟水だと洗濯にどんな利点がありますか?
軟水は洗剤の働きを妨げにくく、少ない洗剤でも汚れが落ちやすいとされています。ただし、汚れに応じた洗剤は必要で、洗剤なしで落ちるわけではありません。
欧州の水とどう違うのですか?
フランスやドイツなど欧州は硬度180mg/L前後の硬水が多く、日本の軟水(全国平均48.9mg/L・東京大学2021年調査)とは大きく異なります。
水温は洗濯に関係しますか?
はい。査読研究では、洗濯の水温が高いほどダニのアレル物質(Der f1)の残存が減ると報告されています(水温とすすぎ回数が鍵)。温水での洗濯や高温乾燥を組み合わせると効果的です。
コインランドリーでも軟水の利点はありますか?
水道水を使うコインランドリーでも、日本の軟水の利点は活かされます。大型機と高温乾燥を組み合わせると、大物の丸洗いも快適です。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。水道水の硬度は地域・調査年により異なります。洗浄効果は水質・水温・洗剤・衣類の状態により異なります。料金・設備は店舗により異なります。本記事は特定の病気の治療・予防・改善を目的としたものではありません。